サイト『生きる意味の「正体」教えてやるにゃー』→
第11章『人間は、地球最後の「はかない希望」』→ あたしの『お父さん』 |
ところが、 そんな かみね が、 急に ピクッと 背筋をのばして、 動きを止めて しまいました。 ふき と ミューラー は 顔を見合わせて 首をかしげましたが… ネック の 顔からは、 それまでの ドキドキしたもの が、 スーッと 抜け落ちていきました… 目を開いた かみね は、 すぐそばで 自分を見上げている ネック のほうに、 おずおずと 向きなおります… そして、 ちょっと 目を そらすような感じで、 こう言いました。 | |
ネックさんの、 お父さま… とても しあわせそうに 暮らして いらっしゃいますよ? 息子さん ご夫婦にも、 良くしていただいて いるようで… | |
かみね の 顔を じっと見つめていた ネックが、 ちょっと 寂しそうに ほほえみました。 | |
かみね… あんたって 本っ当に ウソが下手 だよねぇ。 | |
ショックを受けて、 みるみる 目に涙がたまっていく かみね を見て、 ふき と ミューラー が 再び 首をかしげて お互いの顔を 見合わせました。 かみね は 千里眼で、 家の中の 一室にあった、 まだ 新しさの残る「仏壇」 を 見たのでした。 そして、 そこに飾られた、 しあわせそうな、 でも どこか ほんの少し 寂しそうな 笑顔を浮かべた、 おじいさんの「遺影」を… |