サイト『生きる意味の「正体」教えてやるにゃー』
第11章『人間は、地球最後の「はかない希望」』
あたしの『お父さん』


■ あたしの『お父さん』
(4/5)


『会いたいなぁ、ネック…』





かみね が 神通力で、
息子さん一家の人間たちの
「心」
を調べた結果…


分かったことは、
以下の通りでした。







『 おじいさん は、
引っ越してきて 数ヶ月で
体調を崩し、

検査の結果、
「ガン」であることが
判明した
』…




『 手術自体は
うまくいったのだが、

老齢であったこともあり、
手術後、ガクンと
体力が落ちてしまった
』…




『 そのため、
引っ越してきて
1年ほどした頃に、

帰らぬ人と
なってしまった
』…




『 それでも、
息子さん夫婦や お孫さんと、

短くも、とても おだやかな
日々を過ごすことが
できていたようだ
』…









お父さんも…

「ガン」だったんだ。





ネック は、

自分と飼い主の
意外な類似点 に、

悲しさと、

不思議な あたたかさを
感じました。





元の飼い主さんが
公園に ネックさんの様子を
見に来れなかった
のは、

「住んでいるところが遠い」
ってことも
あったけど…


そんな理由
あったんだね。





かみね が、寂しそうに
うなずきました。




ネックさんの
お父さん
は、

病院などで ご家族に、
ときどき 話されて
いたそうです。


『別れてきた仔猫の様子を
見に行きたい』
… と。





もちろん、
お孫さんの前では、

そうしたことは 一言も
おっしゃらなかった
ようですが…





ネックさんを
公園に置いてきたのは、

お孫さんの
「猫アレルギー」

理由ですからねぇ…





ミューラー が、

世の中の難しさ
痛感しつつ、

しみじみと
つぶやきました。






ただ、

ご病気の
おじいさん ご本人は
もちろん、

日々の お仕事が
忙しかった
息子さん ご夫婦にも、

遠方の ネックさんの
様子を見に行くことは
困難
で…





そうこうするうちに、

おじいさんが
お亡くなりに
なってしまった…



という事で
あったようです。







話し終えた かみね は、

ちょっと心配そうに
ネック の 顔を
うかがいました。


ふき と、ミューラー も…


  










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