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第11章『人間は、地球最後の「はかない希望」』→ あたしの『お父さん』 |
かみね が 神通力で、 息子さん一家の人間たちの 「心」を調べた結果… 分かったことは、 以下の通りでした。 『 おじいさん は、 引っ越してきて 数ヶ月で 体調を崩し、 検査の結果、 「ガン」であることが 判明した 』… 『 手術自体は うまくいったのだが、 老齢であったこともあり、 手術後、ガクンと 体力が落ちてしまった 』… 『 そのため、 引っ越してきて 1年ほどした頃に、 帰らぬ人と なってしまった 』… 『 それでも、 息子さん夫婦や お孫さんと、 短くも、とても おだやかな 日々を過ごすことが できていたようだ 』… | |
お父さんも… 「ガン」だったんだ。 | |
ネック は、 自分と飼い主の 意外な類似点 に、 悲しさと、 不思議な あたたかさを 感じました。 | |
元の飼い主さんが 公園に ネックさんの様子を 見に来れなかったのは、 「住んでいるところが遠い」 ってことも あったけど… そんな理由 が あったんだね。 | |
かみね が、寂しそうに うなずきました。 | |
ネックさんの お父さん は、 病院などで ご家族に、 ときどき 話されて いたそうです。 『別れてきた仔猫の様子を 見に行きたい』… と。 | |
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もちろん、 お孫さんの前では、 そうしたことは 一言も おっしゃらなかった ようですが… | |
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ネックさんを 公園に置いてきたのは、 お孫さんの 「猫アレルギー」が 理由ですからねぇ… | |
ミューラー が、 世の中の難しさ を 痛感しつつ、 しみじみと つぶやきました。 | |
ただ、 ご病気の おじいさん ご本人は もちろん、 日々の お仕事が 忙しかった 息子さん ご夫婦にも、 遠方の ネックさんの 様子を見に行くことは 困難 で… | |
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そうこうするうちに、 おじいさんが お亡くなりに なってしまった… という事で あったようです。 | |
話し終えた かみね は、 ちょっと心配そうに ネック の 顔を うかがいました。 ふき と、ミューラー も… |