■「学歴」は、ガマン大会の賞品?(1/10)





そういえば、ふき

あんたが あたしを
つれて帰った日に、

あんた、公園で言ってたよね?

『 新人たちの教育が
メンドウだ 』
って…





あの日、

まだ ネック
「人間の言葉が分かる猫」だと
知らなかった ふき は、

言葉が分からない相手
だからこそ 安心して、

そんなグチを
こぼしたのでした。





そうなんすよ、
ネックさん…


あいつら、
いつまでも 学生気分
抜けないっていうか、

全然 自分から
動こうとしない
んで、

教えがいが無くて、
ウンザリさせられるんすよ。





まあ、あんたみたいな バカ
上司に持たされた
その子たちも、

憐れっちゃ 憐れだけどね。







食ってかかろうとする ふき と、
すまして ほほ笑んでいる ネック に、

「まあまあまあ…」と、
軽く仲裁に入る ミューラー

   


このトンビ紳士も だいぶ、
ふきネック の扱いが
分かってきたようです。





学生さんたちには、
「初めて社会人になった戸惑い」
もあるでしょうし、

そもそも 誰でも、
どんな年齢になっても、

「新しい会社・団体」
というものには、
慣れるまでに
時間がかかるもの
です。





それを、一方的に
責めてしまっては、

彼らも かわいそうでは
ないでしょうか?






そう言われてみると、

ふき も、今の会社に
入社した直後は、

わずか数ヵ月先に入社していた
直属の先輩(上司)に、

ずいぶん 理不尽なことで
怒鳴られたり、

イヤミを言われた

憶えがあります。





もしや、
新人くんたちの目には、

今の自分が
「あのときのイヤな上司」
のように 映ってるのでは…
と 想像し、

ふき は、少し
ヒヤリとしました。








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