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第2章『それって、しあわせ?』→ 『恋人』がいれば、本当に幸せ? |
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…そ、それだけ? そんな事しか、 考えてなかったの、 彼女…? | |
ふき の ショック は 当然でした。 彼女が 「デートと無関係なこと」しか 考えていなかった のも 驚きですが、 実は 今日、ふき は、 近々むかえる 彼女の誕生日 について、 『プレゼントとして、 オレが お金出すから、 どこかに2人で 「旅行」でもしようよ!』 と、提案していたのです。 ふき としては、 今の2人の関係の進展 も 期待した、 一世一代の 提案 だったのですが… 当の彼女にとっては、 「友達のメールや お天気チェック」 よりも、心に響いていない、 無駄話 に すぎなかった のです… | |
もしかしたら 彼女さん、 自分の誕生日ごろまで ふきくん と 付き合う気が、 すでに もう無い のでは ないでしょうか…? | |
ふき の 頭の中で、 ズゴ〜ン… と 重い音が鳴り響きました。 | |
名推理だね、ミューラー。 「今のままの ゆるい関係」 なら 別にいいけど、 「ふき が 距離を 縮めたがってる」から、 『そろそろ ウゼェ』って 思ってるのかもね。 | |
ふき の 脳裏で、 ズゴ〜ン… が 反響しています。 | |
てか、彼女も なんか すごい よね。 ふき に ここまで 「無関心」なのに… 「尊敬」の「そ」の字も 無いくせに、 よくも まあ、 おデートなんか できるもんだよねぇ? | |
ネック の 言葉に、 ミューラー も しみじみと うなずきました。 | |
これは、 先日お話しした『夢』と 同じ構造の問題 なのかも しれませんね… | |
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「とりあえず 持っていないと、 恥ずかしい」という、 本末転倒 な 状況に、 今の世の中の『恋』が、 なってしまっているのでは ないでしょうか…? | |
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『(1人)ボッチだと 世間的に みっともないから、 取りあえず 誰でもいいから キープしておこう』 ぐらいの 感覚なのだと 思います。 | |
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「夢」だけじゃなくて、 「人間関係」まで 『アクセ』(サリー) なんだね。 「クール」なんだか、 『見栄っぱり』なんだか… | |
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そ、そこまで彼女を 悪く言うこと ないだろ!! | |
深いショックの中を ただよっていた ふき でしたが、 愛する彼女 のために 気力をふりしぼって、 反論 に 転じようとしました。 ところが… | |
そーよね、 彼女ばっかり悪く言うのは オカシイよね。 『原因は、あんたにもある』 んだから… | |
と、ネックに 切り返されて、 キョトン と してしまいました。 |
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恋愛って、 『2人』でするもんでしょ? なら、 当然 あんたの側にも、 原因がある に 決まってるじゃん。 | |
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彼女さんの、 「ふきくん に 対する姿勢」は、 もちろん、 決して 褒められたものでは ありません。 | |
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ですが、 ふきくんが 本当に 真剣に 「彼女さんの本質」… 『心根』(こころね)を 見ようとしていれば… | |
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私たちに 指摘されるまでもなく、 彼女さんの中の 『無関心』に 気づけたはず では ないでしょうか? | |
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その意味では、 私も ネックさん 同様、 『ふきくん にも、 原因の一端があった』 と思うのです… | |
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「心根」(こころね)を、 見る… | |
言われてみると、 先ほど ふき が 「彼女の 素晴らしさ」を 語ったときも、 彼女の「見た目 や 雰囲気」 については 褒めたものの、 『心 や 性格』については、 ふれていなかったように 思います。 | |
『自分は、見た目のいい女と 付き合っている!』って 舞い上がっちゃって、 彼女の中身 までは 考えなかったんじゃないの? | |
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その意味では、 ふきくんも、 「結果的に」 彼女さんを 『アクセサリー扱い』 していたのかも しれませんね… | |
ミューラー が 寂しそうな顔をしながら そんなことを言うので、 ふき は、胸が ギュー… と 痛くなってしまいました。 | |
その意味では、 ふき と 彼女って、 「お似合いのカップル」 だよね〜 | |
ネック が ニヤニヤ顔で そんなことを言うので、 ふき は 頭に ピューッと 血が のぼりました。 …とはいえ、 自分と彼女の間に、 今の関係について こんなに「意識の隔たり」が あったとは… 『恋は盲目』 という言葉が、 ふき の 脳裏に 寒々と思い出されました… |