「そうか、だから…」 ふき は、 思い出していました。 先日、みんなで 『善悪』について 話し合ったとき に、 かかわる人間が 増えれば増えるほど、 善悪が、アヤフヤで 分かりにくく なっていった ことを… あれは、 『 個々の人間(DNA)が、 自分の得すること(善)を 基盤に、主張しあった 』 その結果に生まれた、 「食い違い」や「敵対」 だったのです。 それに、 『 自分以外の生物が増えると、 「相対的」に、 自分の生存確率が下がる 』 という話も、 以前、『仕事』について 話し合ったとき 出てきた、 『 ピザを 分け合う話 』と とても よく似ています。 「ピザの大きさ」 (この地球の資源の総量)が 決まっている 以上、 それを必要とする者が 増えれば増えるほど、 分け与えられる 1切れのピザの大きさは どうしても 小さくなってしまう… それが 小さくなりすぎれば、 「生活」や「命」に かかわる場合 も 出てくるでしょう… 『生き残る』という 視点だけで見れば、 「他者・他生物の しあわせ」は、 『自分にとっての 不幸』 でしかないのかも しれません… | |
『 DNA 』は、たしかに、 あまりにも素晴らしい 「自分が生きのびるための 知識の結晶」 ではあります。 | |
| |
ですが 同時に、 『 自分以外の生物を 排除してでも、 自分の生存を 最優先にする 』 という 価値観・思考の 呪縛 をも、 我々「生物」に もたらしてしまっても いるのです… | |
ミューラー の 話を 聞いているうちに、 ふき は 泣けてきました。 | |
じゃ、じゃあ、 僕ら「生物」は… 一体 どうやって 生きればいいんだろう… | |
| |
「自分」が生きようとする事 そのものが、 「それ以外の人間」や 「他生物」にとっての 『悪』に なっちゃう んだとしたら… | |
ふき が 半泣きになって うなだれていると… 突然、ネックが こちらを見上げて、 こんな 「不可解な アドバイス」 を したのです。 | |
どうすればいいかって? ふき。 簡単だよ。 | |
| |
『 本気で、自分自身の しあわせを、 トコトン 追求すればいい 』 んだよ。 | |
|