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第9章『将来 100%滅亡する、われわれ「生物」2』→ 『氷河期・天体衝突』による滅亡を、いかに 回避するか? |
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さて、今回は 『氷河期』への 対策 について 考えるわけですが… | |
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『氷河期』や、 続く『天体衝突』、 『太陽の影響』あたりの 話になってくると、 今までとは 異なる視点での 「ものの考え方」が 必要になります。 | |
ミューラー の 言葉に、 ふきたちは 首をかしげました。 | |
「今までとは 異なる視点」 って… どういう事ですか? ミューラーさん。 | |
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ここから考えなければ ならないのは、 『この 地球上で 生きのびていく方法』 ではなく… | |
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私たちの 母なる『地球』から、 全ての生物たちが 脱出する方法 … つまり、 『 この地球から 旅立つための方法 』 …だと いう事です。 | |
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ええっ!! 地球からの 脱出っ!!? | |
…と、一応 絶叫して みたものの、 正直、ふきたちの顔には、 あまり 「信じられない!」という色は ありませんでした。 先日からの ミューラー の 話を 聞いていて、 「遠い未来、この地球で 生物が生きていけなく なってしまう日が、 いつか必ず やって来る」… という 現実 について、 目が行かずには おれなく なっていたからです。 | |
現在の人間さんたちの 「科学力」などを考えれば、 少なくとも、 今後 何万年か以内に 来る可能性のある 『氷河期(氷期)』 については、 「生物絶滅」は、 なんとか 回避できる と 私自身は考えます。 | |
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しかし、 いつの日か起こる 可能性のある 『比較的 大きな小惑星 などによる天体衝突』は… | |
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その 壊滅的な 被害から考えても、 『地球上に いるかぎり、 まず 絶滅は回避できない』 と 考えて 間違いないでしょう… | |
ふき は、先日の、 『6500万年ほど前に、 巨大隕石衝突によって、 生物が「絶滅寸前」まで 行ってしまった話』 を 思い出すのでした… | |
この地球は、 あたたかく 優しく、 私たちを はぐくんで くれています。 | |
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しかし、ひとたび その表面に 異常事態 が 発生してしまうと、 「あたたかい 生活の場」は、 『逃げ場のない 鳥かご』に なってしまうわけです。 | |
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という事は、 「戦争」の 回避 や、 「地球の環境」の 安定化 にも 僕ら人類が成功したら、 次に やるべきことは… | |
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『 宇宙開発 』 ですね!? | |
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ふき の 言葉に、 ミューラー が 深く うなずきました。 | |
その通りです。 「地球の上に 逃げ場が無い」 のなら、 『地球以外の場所に、 あらかじめ 逃げ場を 作っておけば良い』 のです。 | |
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現時点でも 人間さんたちは、 「宇宙ステーション」 などの形で、 短期間とはいえ 『地球外での生活』を可能に していらっしゃいます から… | |
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それを さらに 発展・拡大させて、 「地球と同じような環境」を、 宇宙空間や、 近隣の衛星・惑星上に作る ことができれば… | |
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私たち生物の 存続の可能性… 『DNA の 存続』の 可能性も 出てくる のです! | |
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「近隣の衛星や惑星」 と 言いますと… たとえば 「お月さま」 などでしょうか? | |
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はい。 「月」は、地球から 最も近い他天体で、 したがって、 『ハビタブルゾーン』的にも 問題なく… | |
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現在、最も 現実的で 有力な候補 と 言えるでしょう。 | |
ふき は、 以前に 本やテレビで見た、 『月面都市』や 『スペースコロニー』 のことを 思い出しました。 その中では、 月面に 「透明なドームに包まれた街」 が いくつも造られ、 重力が地球より はるかに弱いことを のぞけば、 人々は、地球と なんら 変わりのない生活を、 普通に すごしておりました。 また、地球と月の間に いくつか存在する 「ラグランジュ・ポイント」 と 呼ばれる、 比較的重力のバランスが 安定している空域には、 人々が暮らすための たくさんの「円筒形の巨大施設」 が 浮かべられるように なるそうです。 未来の地球人の一部は、 その施設の中で 地球と変わらぬ日々をすごし、 子を産み、育て、 そして (寿命をまっとうして) 死んでいくのだとか… 遠い未来の子孫たちが… いや、もしかしたら 将来の ふきたち自身が、 何らかの理由で この地球で暮らせなくなり、 そうした施設を 『第2の 地球』として 生き延びていくのかも しれない… と思うと、 不思議なような、 怖いような、 寂しいような気持ちと、 「未来への ほのかな希望」を 感じずには おれないのでした。 | |
『天体衝突』に 関しては、 現実点では ほとんど 予測が立たないので… | |
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それによる 地球環境の壊滅の 「Xデー」は、 「1億年後」かも しれませんし、 『明日』かもしれません… | |
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「人間さんたちの科学力」が、 1日も早く 『生物の「地球外移住」を 可能にできるレベル』に 達してくれる ことを、 私は 切望せずに おれません… | |
ミューラー は そんな事を、 しみじみと 語ったのでした。 |