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第9章『将来 100%滅亡する、われわれ「生物」2』→ 資源やエネルギーが足りなければ、 そもそも「地球脱出」すら 不可能 |
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しかし 残念ながら、 現時点では、 そうした話は 夢物語 です。 | |
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「宇宙船を造るための 材料(金属など)」も、 それを飛ばすための 「燃料」も… | |
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今の人間さんたちの 科学力から見たとき、 どうしても その量は、 絶対的に 不足している と 言わざるを得ないからです。 | |
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また、 現在の人間さんたちには 『省エネルギー』 (エネルギー・資源の節約) という考えがあり、 これ自体は もちろん 大切なことなのですが… | |
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「少ないエネルギーを 節約する」方向ばかりに 力を入れてしまうのは、 『少ない お給料で、 どうやって生活を していくか?』 ばかりを考える人生 と、 似ているような気がします… | |
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「節約」も 大事だけど、 『自分の稼ぎ自体を 増やす方法』も 考えてかなくちゃダメ ってことだね? | |
ネック の 言葉に、 ミューラー が うなずきました。 | |
その通りです。 『よりもっと 効率よく、 より大きなエネルギーを 生み出せる技術』を 開発・研究 して いかなければ… | |
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われわれ生物は、 今のまま、 いつまでも 細々と暮らすばかり で、 時間ばかりが浪費 された挙句… | |
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「ヤシの木の船による脱出に 失敗した漂着者」のように、 この太陽系や 地球の中で、 ただ 滅亡を待つ以外、 何もできない生物 になってしまう事でしょう。 | |
どのような 素晴らしい技術も、 「それに必要な 資源やエネルギー」 が 無ければ、 『実現』することが できない… 思えば ふき自身も、 勤めているゲーム会社で、 アイディア的には 高確率で面白い大作になると 確信できる「ゲーム企画」が、 開発費や人員の不足から、 やむなくボツになったケース を、いくつも見てきました。 同様に、 ある星の生物たちが、 どんなに「素晴らしい 宇宙航行のアイディア」に 辿り着いた としても、 それを『実現』するだけの 「エネルギー確保」の手段を、 彼らが 思いつけなかった り、 そもそも その星の資源が、 『脱出するための必要量』に 足りなかったり すれば… 自分たちの生まれた星の 不運を嘆(なげ)きながら、 滅亡していくしか 無いわけです… |
そういえば ふき は 以前、 ある漫画の中で、 『人生は、配られたカードで 勝負するしかない』 という、トランプにかけた言葉に 出会ったことがありました。 『トランプ』は 基本的に、 「最初に配られたカード」 を 軸に戦うゲームです。 その言葉には、 努力だけでは どうしようもならない 理不尽さも含めての、 『現実』の姿 や… 自分に与えられた カード(現実)を 「直視」することでしか、 道は拓(ひら)けない といった、 『人生の真理』が 的確に表現されていると 感じました。 ふきたち、 地球の生物に 与えられたカードは、 はたして、 努力によって 「滅亡の運命」を 逆転できる 内容 なのでしょうか…? そして、 遠い未来に地球から旅立つ 我々の子孫たちは、 そうしたカードを そなえた恒星系に 出会い続ける ことが できるのでしょうか…? 今は ただ、 「カードに 恵まれること」 を信じて、 祈り、努力する しかない、 そんな ふきたちなのでした… |
この 母なる地球を、 「死を待つばかりの牢獄」 とするか、 「新たな生活圏への 旅立ちの地」 とするか は、 現時点では 「人間さんたち」のみが 左右できる立場にあります。 どうか、この『事実』を 忘れずにいてください。 |