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第9章『将来 100%滅亡する、われわれ「生物」2』→ 『戦争』による滅亡を、いかに 回避するか? |
以前は、 『 生物絶滅 』 などという言葉を聞くと、 それこそ 「この宇宙自体の 終末」 のような大規模なものを 想像していた ふき でしたが… 意外にも、 「 地球上の 生命 」 ぐらいの範囲で考えると、 『 生物の絶滅は 必然 』 とすら言えるほど、 アチコチに 「 終局の可能性 」が 散らばっている… その現実を、 ふき は 今回の話し合いで、 深く 実感したのでした。 しかし、 ふき は、 めげませんでした。 | |
とりあえず、 僕らや、僕らの子孫たちが どうすれば 『 絶滅 』から 逃れられるか、 「時代の近いもの」から順に 考えてみようよ。 | |
その提案に、 1人と3匹は あらためて 部屋の真ん中に 丸く座りなおしました。 | |
それでは、 今まで話してきた 「 生物滅亡の原因に なりそうなもの 」を、 1つ1つ 考え直して みましょう。 | |
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まず最初は、 『戦争』でしたね。 | |
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どうして、 「戦争」のようなものが 起こってしまうのでしょう… | |
かみね の 寂しそうな問いに、 ミューラー が 答えました。 | |
「戦争」とは、 いわば、 『 巨大化した ケンカ 』 です。 | |
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発端は、 「 資源・食料・金銭・地位 などを奪い合う 小規模なケンカ 」 だったものが… やがて その規模が拡大し、 国家レベルにまで 大きくなったもの … それが 『戦争』なのです。 | |
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逆に言えば、 個人個人に 資源や食料・金銭が タップリあった り、 個人個人が 地位に固執したり しなれば … | |
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誰も わざわざ 『戦争』なんて、 やろうとは しない はずなのです。 | |
ミューラー の 言葉に、 ネック が 深く うなずきました。 | |
「戦争」って、 負けたら、 相手に殺されちゃう もんね… リスク 大きすぎ だわ。 | |
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ただ そう考えると… 「戦争の出発点」自体は、 意外に単純 なんだね。 | |
ふき の 言葉に、 今度は ミューラー が うなずきました。 |
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もちろん 一部には、 『 特殊な 目的 』を 持つ 戦争も存在します。 | |
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たとえば、 『 自国民が抱えている 国内政治への不満を、 諸外国を「仮想敵」と することで、 怒りの矛先をウヤムヤに するための戦争 』 や… | |
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『 戦場を 消費場とし、 「そこで使用する兵器を 自国で生産」することで、 国内産業を活性化 させるため戦争 』 などが、それです。 | |
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しかし いずれも、 厳密に発端を たどってみれば、 『 資源や 食料、 金銭や 地位などが もっと欲しい! 』 という欲求が 根底に存在することに、 変わりはありません。 | |
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その意味においては、 どんな戦争も 『本質的には、同じもの』 なのです。 | |
難しい言葉が多くて、 理解するのに苦労した ふき でしたが、 『 ケンカの はじまりは、 単純な欲望 』 ということだけは 分かりました。 | |
まあ、もとが「単純」 だからこそ、 簡単に火が ついちゃったり、 なかなか無くすことが できない ってとこも、 あると思うけどね。 | |
ネック の 言う通りです。 「単純」とはいえ、 こうした欲求は、 『 生物として 誰もが持っている、 根源的なもの 』であり、 これを 完全に無くすことは まず 不可能です。 それに、 こうした「欲望」が 原動力 となって、 人間を スピーディに 進化させてきた面もある わけで… 必ずしも 『 欲望 = 悪 』 ではない のです。 | |
以前に お話があった、 『 善 と 悪 』 という要素も、 こうした問題の解決を 難しくしている一因 かもしれませんね。 | |
かみね が、 『善悪』について 話し合った日 のことを 思い出しながら、 そう言いました。 | |
正体は ただの 「 欲望 」なのに、 本人にとっては 『善』や『正義』 ですから… | |
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『俺が 正しい!』 『わたしのほうが 正義です!』 と 言い合うばかりで、 どんどん問題が こじれてしまう のでは ないでしょうか…? | |
こうして あらためて 考えてみると、 人間の 言動には、 DNA(生存本能)が 本当に大きく かかわっており、 ふき は 驚くばかりでした。 |
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う〜ん、 だとすると… 『 戦争による 生物滅亡 』 を 防ぐ … 『 戦争を 起こさない ようにする 』 ためには、 どうすれば いいんだろう? | |
ふきたちが 首をひねっていると、 ミューラーが こんなふうに まとめてくれました。 | |
まずは、 人間さんたち お1人 お1人 が、 「事実」を 受け入れること が、大切なのでは ないでしょうか? | |
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『 自分たちは 高度な大脳新皮質を 手に入れたけど、 まだまだ DNA に 振り回されることも多い、 未成熟な生物なのだ 』 という 事実を。 | |
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人間の皆さんが、 「自分自身」というものを、 客観的に把握しよう と 自覚・努力しないかぎり、 「弱点」が 改善されないまま いつまでも 残り続け… | |
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『 不毛な 争い 』も また、 今後も 延々と 繰り返されてしまう 事でしょう… | |
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そんな 不毛な争いが、 ある日、何かの間違いで 「世界規模の、度を超えた 全面的な大戦」 に なってしまえば、 『 地球生物の 絶滅 』 を 引き起こしてしまうかも しれないわけですから… | |
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まずは、 僕ら人間 1人1人が、 「 自分たちの ちっぽけさ 」を、 プライドを捨てて 受け入れることが 大切… てことか。 | |
ふき は、 自分たち人間が、 「 地球の表面に へばりついている 極小生物 」であること、 あらためて 思い出すのでした。 | |
加えて、 資源や食料が、 1人1人に 最低限 行きわたる社会づくり も 必要です。 その 実現のためには、 『 世界規模の、 政治や 教育の 連携 』 が、不可欠でしょう… | |
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これからの 人間さんたちは、 本当に さまざまな 問題と困難を、 乗り越えていかなければ ならない と思います… | |
長い 人類の歴史 で、 「争い」が 無かった時代など 存在しません。 しかし、これを 乗り越えなければ… いや、たとえ 乗り越えたとしても、 人類や地球生物を 絶滅させる要因 は、 他に いくらでも 存在する のです。 目先の、 「誰かの欲望」が 引き金になった争い に 巻き込まれて、 それに かかりっきりに なっているうちに、 別の原因による 「生物絶滅」の タイムリミット が 訪れてしまい、 結果的に、 地球規模の 『 無理心中 』 に 付き合わさる… ふき は、 そんな事態だけは 断固として拒否したい と 思いますし、 他の人間や 生物たちだって、 思いは同じ でしょう。 取りあえず ふきたちは、 『 戦争による絶滅は 回避できたものとする 』 と 仮定して、 他の「絶滅の可能性」 についても、 回避策 を考えてみる ことにしました。 |