サイト『生きる意味の「正体」教えてやるにゃー』
第9章『将来 100%滅亡する、われわれ「生物」2』
将来 100% 無くなってしまう、我々の住む『この宇宙』


■ 将来 100% 無くなってしまう
我々の住む『この宇宙』(2/3)


『「この宇宙」そのものが
無くなれば、
われわれの逃げ場所も また、
無くなってしまう』




『人類や、
われわれ生物は


将来 必ず、100%、
滅亡してしまう』…




ふき も、明確に
思い出してきました。





そうです。

たしかに
ミューラーあの日

ふきたちに、
そう 断言していました。






でも、考えてみると

それは 変では
ないでしょうか?






というのも、

この宇宙の中の、
「生存に適した恒星系」を、

なんとか うまく
渡り歩いて行く

ことさえできれば、
(その成功率は 非常に小さいとはいえ)


少なくとも 地球生物は、
滅亡だけは
まぬがれられる

はずなのです。




なのに どうして、

『滅亡 が 確定』
ということに
なってしまうのでしょう??

  





たしかに、

ある「惑星」の寿命が
つきる前に、別の 惑星へ

ある「恒星系」の寿命が
つきる前に、別の 恒星系へ
『移住』していくことで、

取りあえず われわれが
「生存環境を確保」しつづける
ことは可能
です。





でもですね、

ふきくん…




ミューラー が、

ふき の 目を
まっすぐ見つめました。







『この宇宙』
そのものの 寿命

が 来てしまったら、


もう 我々の
移住できる場所は、


どこにも 存在しなく
なってしまう
のです…









『宇宙の 寿命』!!?

そ、そんなものが
あったのですか !??




悲鳴のような声をあげた
かみね と、

絶句している ふき に、




ミューラー
深く うなずきました。





はい…

ただし、
『寿命』といっても、

この宇宙自体が
「消滅」してしまうわけでは
ありません。





遠い未来に、

この宇宙の中の
「エネルギー」が、


『空間全体に 拡散』
してしまう のです…





『エネルギーの 拡散』

というと…??




首をひねる ふき に、

ミューラー
こう 説明しました。












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『エントロピー(乱雑さ)は、
長期的に見ると 必ず増大する』





たとえばですが、
ふきくん。

「水のタップリ入った
バケツに、

赤いインクを1滴、
ポトリと落とした」

とします。





すると、

インクは
どうなるでしょう?




ミューラー
唐突な質問に、

ふき は、しばらく
ナナメ上を見つめた後、

こう 答えました。




『ものすごく 薄ーい
ピンク色の水が できる』


…んじゃ ないですか?


バケツの水 全体に
インクが広がっていくから…




ミューラー が、

ニッコリと
うなずきました。




その通りです。

水に落とされたインクは、
水全体に「拡散」
していき、

最終的には
「ほぼ一様」になって
安定
します。





なぜ、そうなるのか…


それは、この世の
あらゆる物事が、

「規則 正しく」
「1点に 集中」

しているよりも…





「ランダムに」
「まんべんなく存在」

している状態へと、

自然に 移行していく
ものだからです。





このような流れを、
難しい言葉で、

『エントロピーが
増大する』

と 表現します。



  





インクたちも、

1ヵ所に ピシーッと
集まってるより、

全体に ダラ〜ンと
広がったほうが、
『楽』なわけね?




正確には
ちょっと違いますが、

あながち
間違っているわけでもない
ネック の 言葉に、

ミューラー
ほほえみつつ、
うなずきました。





さて、問題は、

これが「インク」だけに
かぎらず、

「エネルギー」…
『熱』についても 同じ

だという点です。





たとえば
石油ストーブをたくと、

お部屋の中に、
あたたかい空気が
まんべんなく 広がって

くれますよね。





でも 逆に、

『あたためられた空気が、
部屋の どこか1ヵ所に、
自然に ヒュッと集まる』

ようなことは、

ありません。





また、

『あたためられた空気が、
自然に 化学反応を
逆に たどっていって、
石油に戻る』…


といったことも
起こりえません。





ふきたち は
うなずきました。


そんな事が起こったら、
『ホラー』です。

  









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『エネルギーが 拡散しきった果てに、
子供を産めなくなる宇宙』





太陽のような
『恒星』の エネルギー も、

いわば、
「ストーブ」と同じです。





恒星から放たれる
エネルギーは、

「地球」のような
近隣の惑星を
あたためてくれます
が…


そうしたエネルギーが、
恒星に 戻っていく
ことはありません。





エネルギーは、一方的に
周りに 拡散されつづけ…



やがて、エネルギーを
使い切った 恒星は、

冷たく沈黙してしまう
のです。





この話に、
ふき は あわてました。





で、で、でも、

そうやって死んでいく
恒星たちも、

ただ 無意味に
冷たい塊になってしまう
わけじゃない
ですよね?





「恒星の死に際に
バラまかれた物質」
を もとに、

新たな『星雲』が 作られて、

その中から また、
『新たな 星々』
生まれてくる…





僕らの宇宙の中では、
こうした『循環』

今 この瞬間も…

そして、これからも
ずっと ずっと、

「永遠に」繰り返される
んじゃ ないんですか??





このあたりは、
さすが「星好き」
ふき らしい見方です。


しかし ミューラーは、
静かに首をふりました。





ふきくんの お話は、

「前半」は 確かに
その通りです。



しかし 残念ながら、
このルーチンは、
『永遠には 続かない』

のです。





宇宙内の物質は、
そうした「集中・分散」
繰り返しながらも、

長期的に見れば
少しずつ ジワジワと、

空間に まんべんなく
『拡散』していく

ことになります…





その結果、
我々の宇宙は、

今から 100兆年 ほど
経ったころには…





もう エネルギーが
「拡散」しきってしまい、


『新しい星を
生み出せなくなる』

(物質が十分に 集中できなくなる)
と 考えられています。






ふきたちは、

ミューラー
この言葉を聞いて、

しばらく 首をかしげて
いましたが…



突如として、
同時に 絶叫したのでした。






ええっ!!
『星が 生まれない』!!?



  









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『冷たく停止してしまう、
はるか未来の
われわれの宇宙(熱的死)』





ふきたちの絶叫に、

ミューラー は 寂しそうに
うなずきました。




残念ながら、
そうなのです…


そして、
「新しい星が 生まれない」
という事は…





新たな
『エネルギー(熱)の 発生源』
も 生成されない

という事です。





当然、

「そのような空間内で
活動できる生物」
など 皆無
であり…


これは もう、

事実上の『宇宙の 死』
と 言えるのでは
ないでしょうか?





これこそが、
現代の 一部の人間さん…

『天文学者』や
『物理学者』たち

予言している、

遠い未来の、
私たちの宇宙の姿
(熱的死)

なのです…




  




もはや、
絶句するばかりの
ふきたちに、

ミューラー
続けました。





私たちの宇宙は、

『ビッグバン』
と 呼ばれる現象を起点に
始まったと言われています。





何も無い1点から、

突然 信じがたい
高エネルギーが噴出し、

『宇宙』として
拡大を始めた
のです。





それは まるで、

広い池の真ん中に、
石が投げ入れられた
ようなもの
です。


石が ドボンと
着水したところを中心に、

いくつもの波が発生し、
輪のように広がって
いきます
が…





やがて それらの波は、

お互いに干渉しつつも、
少しずつ弱くなり、

いつかは また、
波のない 静かな水面
戻ってしまいます。







『私たちの宇宙』も また、

「ビッグバン」によって
もたらされた
超々々エネルギーが、

空間内に 広がりきり…




波打っていた池の水面が
静まるように、


冷たく停止していく
のだと思います…



  






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