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第11章『人間は、地球最後の「はかない希望」』→ 地球生物が 生き残るために、 『しあわせ』を どう活用するか? |
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次は、 『学歴』ですね? 人間さんたちの「知性」… 「文明」を 向上させるために、 これを どう 活用するか ですが… |
かみね の 言葉に、 ふき が 首を傾げました。 | |
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不思議だなぁ… 『学歴』って、本来 一番「文明の 向上」に つながりそうなのに… 何か、そんな実感が ないんだよ。 |
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それは、現在の この国の「学歴」が、 ほとんど 『就職を有利にするためのもの』 としか 機能していない からではないでしょうか? |
たしかに! ![]() ![]() 皆が「より高い 最終学歴」を 欲しがる理由 も、 ほぼ そこにあります。 本来『学問』とは、 自分の知性を高めるための 自発的な行動 であったのに、 今の世の中では 「自分のガマン強さを示して、 就職を有利にするためのもの」 として、 『悪い意味で 義務化』 してしまっていることが… こうした 本末転倒 を 生んでいるのかも しれません。 ![]() | |
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…という事は、 この国の『学歴』は、 「個人の就職」を 左右する 程度で、 「人類の文明の向上」には、 ほとんど 貢献できない ってことなのかなぁ。 |
ふきが 寂しそうに つぶやくと、 ミューラー が こんな話を始めました。 | |
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たしかに 「現時点では」 難しい と思います。 ただ、前に お話しした通り、 就職して「仕事をする」ことは、 『社会・文明の発展』に 直接かかわっていく、 とても重要な行為 です。 |
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ですから 逆に、 『学歴は、 就職のためのもの』 と 割り切って 考えてみる 事で、 「改善の道」が 見えてくるのでは ないでしょうか? |
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『学歴』の 改善の道 … ですか? |
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はい。 これも 以前に 「学歴の 問題点」について 話し合ったとき、 『 本人の実務能力を 正確に表していない学歴に、 意味は無い 』 といった お話を させていだいたことが ありましたよね。 |
ふきたちが うなずきました。 ![]() ![]() ![]() | |
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ならば、 「逆」に 考えるのです。 「本人の能力を 正確に表した学歴」… 『その本人の持つ「特性」や、 「具体的な実務能力」を 表した学歴』を 学校側が示せる ようになれば… |
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就職における 会社と学生の間の 「食い違い」も 減り、 両者の よりスムーズな マッチングが可能 となり、 『社会の発展』を 加速できる … |
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つまり、 学歴に 『意味』が 生まれる のではないでしょうか? |
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弱点 が 明確に 分かっているなら、 「その逆を行くことで」 解決策を見出す わけですね? |
ミューラー が、 ほほえみながら うなずきました。 ![]() ![]() ![]() |
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具体的には、 「どこの学校の どの学部を卒業したか?」 だけでなく、 『そこで何を習得したか?』 についての詳細が 明確に分かるデータ が 必要です。 |
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本目的 は、 「就職」の スムーズ化 … 『ご本人の能力を、 どのように社会の中で 活かしていくか?』を 見極めること なのですから。 |
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また、 「義務教育」ではない 高校・大学 であれば、 「規定数の単位が取れなければ 進級・卒業させない」 というのではなく… |
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入学後、 「規定年数」を 過ぎれば、 本人の意思で 自由に 卒業させて良い と思います。 (もちろん、本人が望めば、 納得いくまで在学しても OK) |
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それこそ、 その学校で学べることの大半を 早期に習得できた 学生さん については、 「規定年数に 達していなくても」 卒業を認めて良い と思うのです。 |
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ただ、ここで 間違ってはいけないのは… 「規定年数以上での 卒業」 (「飛び級」ではない、普通の卒業) に 関しては、 学校側は「卒業者の能力を 保証しなくても良い」 という点です。 |
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学校は あくまで 「学びの場の提供」が 本目的であり、 そこで何を習得したか? 習得できたか? は 『学生さんの 自己責任』 というわけです。 |
実のところ、 ミューラー の 話している内容は、 外国などでは すでに導入 されており、 わが国でも 一部で 実施されている そうです。 ![]() ただ、 国内では まだまだ メジャーではなく、 まだまだ うまく機能していない… というのが 現状のようですが… ![]() | |
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大切なのは あくまで、 『本人が その学業生活で、 どういった能力を 習得してきたか』です。 |
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浅く広い知識を まんべんなく 持っている も良し、 一芸に深く秀でている (苦手もある)も良し、 なのです。 |
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『その能力を、 社会で どのように活かして 生き延びていくか?』は、 本人の考えること であり… |
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『その能力を、 会社内に どのように組み込んで 利益に替えるか?』は、 企業が考えること だからです。 |
「良い 最終学歴を 持っていれば、 それなりに良い会社に 就職できる(はず)」… といった 流れ・価値観に 慣れてしまっている ふき にとっては、 少し怖い というか 不安にもなる 改良案ですが… ![]() 「ゲーム業界」という 実力主義の業界 に 身を置いて、数年たっている こともあってか、 『全然 受け入れられない話』 ではない のも 事実です。 というか、 学生くんたちの 「習得してきたもの」 が 分かれば、 新人採用をすることもある 自分にとっては、 従来の負担が グンと減ることにもなる でしょう。 ![]() 何より、 そうした 『具体的なデータ』が 無かった・乏しかった ばかりに、 やたらと 面接に 時間や回数が かかった り、 就職後に判明した 食い違いによる 大きな苦労をしょいこむ といった問題は… 他ならぬ ふき本人が、 「就職希望者」と 「面接担当者」の 両面で 経験させられてきた事 なのですから… ![]() ![]() |
そして ふきは、 フト気がつきました。 | |
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そうか… 今まで 履歴書に 書かれていた「学歴」が、 (適切な表現かは 分からないけど) 『職歴』や『実務経験』と 同じような扱い に なるわけですね? |
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「過去に どこの会社に 勤めたか?」ではなく、 『勤めてきた会社で、 どんな職種を経験して、 どんな実績で 会社に貢献したか?』を 自己アピール するような… |
ミューラー が うなずきました。 | |
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その通りです。 現在では、そうした 「自己アピール」は、 別途、学生さん本人が 作成する わけですが… |
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それに近いものを 学校側から 簡易データで 企業に提供できる ようになれば、 学生さんも、 企業採用者も、 グンと 負担が軽くなる のではないでしょうか? |
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もちろん、 学校側の負担は 増えてしまいます が、 それは結局、 『今までの「学歴」が、 個人の能力を うまく表せていなかった』 ことが要因ですから… |
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そこは 少しばかり、 教育関連の方々に 骨を折っていただく 必要があると思うのです。 この国 や、 人間さんたちの 「未来」のために… |
大学が… それにともなう 高校・中学・小学校 が、 そうした 『本人の特性を重視した 学歴』 に 替わるとしたら… 間違いなく 「テスト」や「受験」 といったシステムも 様変わりしていく ことでしょう。 ![]() もしかしたら、 小・中・高・大学の 修業年数が変わる かもしれませんし、 混乱も ある と 思います。 さらに、 「飛び級」に 関しては、 この国に蔓延している 『過度な 平等意識』も、 障害になってくる と 予想されます。 ![]() でも、 それを乗り越えることで この国の学歴に 「キチンとした意味」が 生まれれば… とにかく学校を「卒業」して 『学歴』を 得る、 そのことばかりが 本目的化 して、 本来 最重要である 『何を習得したか』が 置き去りになって しまっている、 そんな この国の 「当たり前」が、 変われば… ![]() きっと 「この国の 文明度」は 上がり、 それは 『この国自体の 生存確率の 向上』、 ひいては 『地球脱出を可能にする 文明への到達』の 一助となるでしょう。 そんな 『未来の わが国の学校』 の 姿を想像して、 ふき は そこに、 かすかな希望の光 を 見るのでした。 ![]() ![]() ![]() ちなみに ミューラー は、 こんな事も 言っておりました。 | |
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これは『学歴』とは、 ちょっと異なる話 なのですが… 子供たちに もっと、 「将来」や 「社会に出た自分」を 考えさせる機会 を 作ることも、 重要ではないかと 私は考えています。 |
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「社会において、 自分のどういった能力を 提供して生きていくか?」 を 本人に考えさせることは、 今後の自分の「人生設計」にも 具体性 を生み、 「何を学んでいくべきか?」を 真剣に思考する キッカケ や 訓練 にも なるはずです。 |
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『記憶すること』は、 あくまでサブの能力です。 人間さんの 本質 は、 『自ら 考えること』 だと、 自分は確信しています。 |
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